ドライガール
仕事から家に帰れば、先に帰ってきていた健がごはんを作っている。

「今日は、沙織の好きなポテトサラダあるよ」

微笑みながら、私に作った料理を見せる。

「そう、早く食べよう。食べ終わったら、私、疲れたから寝るから」

「わかった」

また微笑む健。その笑顔が気に食わなくて、作ったばかりのポテトサラダの皿を持ち、ごみ箱に投げ捨てた。

健はまた微笑みながら、「作り直すね」と、言った。

「あんたのその笑顔、気持ち悪い」

鏡で練習したようなその笑顔が不快だった。
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