遅恋~キミがくれた宝物~
「大丈夫です、これくらい。家、すぐ近くなんで」
「そうですか…では、僕はこれで」
「ありがとうございました」
ペコリと男性に頭を下げると、男性は軽く会釈してスタスタと歩いていってしまった。
はい、会話終了。
せっかく運命の出会いだったかもしれないのに…またチャンスを逃してしまった。
思えば私は昔からこうだった。
男子と会話をするのが苦手で
男子に甘えるのが苦手で。
変なところでいつも強がって。
今だって…
私の家に帰るには徒歩で10分かかるのに。
また強がってしまった。