遅恋~キミがくれた宝物~
デザートとOL
「いらっしゃいませ」
眠そうな店員の声を聞き流し、私は真っ先にお目当ての場所へむかう。
デザート売り場。
「旬の苺がのった…」
「甘いクリームが大人気!」
「店長オススメ!」
そんな宣伝には目を向けない。
私は隅にポツンと置かれているプッチンプリンを手にとった。
昔から私が今よりかは可愛かった頃から大好きな味。
大人になった今でも毎週同じプリンを買っていた。
レジに向かうと男性店員が1人。
毎週来てるのに見かけないってことは新人なんだと思う。
ピッ
「150円です、スプーンお付けしますか?」
「お願いします」
150円を彼の手にのせる。
それだけで少しドキドキするなんて、私、どれだけ男に疎いのよ。
「ありがとうございました」
その声を背中で聞きながら、私は店を出た。