いつか昔の恋の唄―Last message―(仮)
*10*
「あっ、もしもし?
お電話変わりました、時谷ですが、
どのようなご用件でしょうか?」
和泉が、落ちた受話器を拾って、代わりに話をしていた。
俺は、床に足をつけてへたり込み、呆然としていた。
まだ、頭が話に追いついていかない。
「……はい。分かりました。すぐ行きます。」
和泉は電話を終えると、俺の腕を掴み
「春陽、行こう。」
と言いながら、外出する準備を始めた。