いつか昔の恋の唄―Last message―(仮)


「冗談冗談。本気にしすぎ。」



そんな俺らのやり取りを、彼女は楽しそうにクスクス笑っている。



「鍵持って来たー。」

いつの間に行ったのかは分からないが、和泉は鍵を持って来ていた。




「なんか凄そうな気がするけど開けようか。」


「開けなきゃ掃除できないだろ。」



「まあそうだけどさぁ…。」

開かずの間を開けるみたいで怖い、なんて女子みたいなこと言ってるなよ。





「……じゃあ俺が開けるから。」

痺れを切らした湊が和泉の持っている鍵を奪い取る。


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