いつか昔の恋の唄―Last message―(仮)
……やっぱり近くにあった遊園地は、
キャラクターなんて物は居ない、
定番のアトラクションがあるだけの所だった。
でも雪葉は、遊園地って事だけで目をキラキラさせて。
どうやら来るのは初めてだったようだ。
「ね、春陽!
あれ乗ろうよ!」
好奇心いっぱいの目でそう言われたので、何処?と首を傾げると。
彼女が指差した先は、メリーゴーランド。
……マジかよ。
「いい年した男が乗るもんじゃないって。
雪葉だけで乗ってこいよ?」
本気で嫌だったのでそう言うと、
「嫌ー!
春陽も一緒に乗るの!」
無理やり嫌がる俺の腕を引っ張った雪葉は、満足気に笑った。