いつか昔の恋の唄―Last message―(仮)
乗ってから、幾らか時間は過ぎたと思う。
「「……。」」
何故か二人とも無言で。
俺は、雪葉が来た時の事を思い出していた。
何で、今こんな所で思い出しているんだろう…。
雪葉は窓から見える景色に心奪われたように見入っている。
ぼーっとそれを眺めていると、
「……?」
彼女は不思議そうに俺を見た。
「どうしたの?」
「…別に、何でもないけど……。」
……今日一日、そんな会話ばかり繰り返しているような気がする。