いつか昔の恋の唄―Last message―(仮)
「痛いなぁ……。あれは力強すぎでしょ…。」
和泉は愛希の平手打ちによって赤くなった頬に氷を当てている。
「…当然でしょ。いきなり部屋に入るなり部屋の物漁るんだから…。」
…まだ平手打ちなだけ良かったじゃない、と愛希は既に呆れ顔。
「俺らはまだ仕方ないにしても、愛希の部屋は止めとけよ…。」
「っていうか、和泉は何を探してたの?」
「俺のケータイ……。」
ポソリと、和泉は俯きながら呟く。
「白の、十字架のストラップの付いてるやつ?」
「うん。」
「…それなら、自分のYシャツの胸ポケットにあるじゃん。」