今度はあなたからプロポーズして
駅……………(留美と賢三)
時計の針は
8時30分をまわっていた。
留美は化粧室で
携帯をチェックしたが、
恭一からの連絡は、
メールすら着ていなかった。
(あいつ…何やってるんだろ?)
ちょっと怒りすぎたかなぁと
自分の態度にも責任を感じたが、
今日は特別な日として
前々から約束していたのだ。
こちらから折れる気など
更々起こらない。
自分に非はないと思い直すと
留美は携帯をパタンと閉じた。
恭一からの連絡はまだなかったが
二人は店を出ることにした。
留美は賢三に申し訳ないと
一旦、家に帰る事にしたからだ。
賢三も疲れているのだろう。
化粧室に行こうと席を立つ際、
気づかれないように
欠伸を噛み殺してしていた。
気にすることはないと
賢三は言ってくれている。
だが、これ以上付き合わせる事も
できまいと
留美は連絡を待たずに帰ることに
したからだった。
(マジ、ムカつくっ)
一旦は忘れていたが
恭一への怒りが再燃すると、
留美は心の中で独り言をぼやいた。
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