今度はあなたからプロポーズして
明朗活発で勝気な留美だったが、
いざ自分からプロポーズとなると
普段とは勝手が違う。
気持ちが揺がないよう
カレンダーにハートマークで
印をつけるほどの
気合(?)の入れ様だった。
留美の一大決心など知る由もない
恭一には大分誤解を受けていた事
だろう。
3日前に恭一が家に寄ったときも
「おいおい、何だ?
このハートマーク?
一体、どこに連れてかれるんだ
?」
と冗談交じりに怯えながら
テレビの前で
横になっているのを見て、
「いいじゃない、
久々のデートなんだから…
スケジュールはハードだからね
覚悟しておいてよ!」
(いきなりプロポーズされても
その余裕ぶりで
いられるかしら?)
と恭一がオロオロする光景を
思い浮かべては
留美は吹き出すのをこらえた。
3年も付き合ったのだ。
期待が勝っていいはずだった。
だが
その後がギクシャクしやしないか
という不安も同居しては
どうしてもそれが消え去ることは
なかった。