今度はあなたからプロポーズして
決意…………(恭一)









恭一はやるせない思いのまま、
新宿に向かう電車に
また乗りこんだ。






過ぎていく街並みを
ボ~っと眺めていたが、



車内に目を移すと、
ちょうど20歳くらいのカップル
が車内で楽しそうに話しているのが目に入った。






どうやっても戻れないのに
過去の自分達と照らし合わせて
見てしまう。







(もう10年も経つのか…)






(あの時、奈々と別れなければ、
 今頃どうなってたかな…)







ページを捲るように回想してると
留美の顔がパッと浮かんだ。







(留美と出会わなければ、
 今、俺は……)







(留美と付き合って…3年か…)







(今の俺は幸せ…だよな?)







恭一の回想を断ち切るように、
電車は新宿駅に到着した。





電車を降りると、
すぐ留美に電話したが、





その電話も何コールしても
繋がることはなかった。







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