今度はあなたからプロポーズして
(借り?…)
(何も貸してませんが?…)
(この営業マンめ…)
恭一のあまりの調子良さに
留美はまたムカついてきたが、
これ以上賢三を病室に一人にして
おくわけにもいかず、
「じゃ、すぐ迎えに来て」
と言うだけ言って後は黙ったまま
許しを乞うている恭一に
ぶっきらぼうに伝えると
察して喜んでいる恭一を
やむを得ずに許すことにした。
とは言っても、
恭一はただ仕事をしてきただけで
我儘をぶつけてるのは自分なのだが…
恭一との日常茶飯事の喧嘩よりも
その後の出来事に疲れていたのも
正直なところだった。
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