今度はあなたからプロポーズして









「今、病院にいるの」





恭一が居場所を尋ねる前に、
留美は唐突に場所を告げた。




「病院…えっ!? 病院っ??

 病院……って、
 やっぱり何かあったのかっ?」




恭一が慌てて留美に聞く。
その狼狽えようは半端ではなかった。





「詳しいことは後で話すから、
 とにかく早く病院まで来て」





何度も大丈夫かっ?と訊く恭一を遮って


病院名と病室だけを淡々と言うと
留美は携帯をパチンと閉じた。




恭一は新宿に戻ってるとのことで

そんなに時間は掛からないだろう

と留美は時計と相談しながら、
エレベーターの七階へのボタンを
押した。








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