今度はあなたからプロポーズして









「ぉ父…さ…ん」






「お父……さん、  
 どう…したんです…か?」





完成した絵を前に、
わしは一息ついたところだった。




空耳かと思ったが、
振り返ると春江は目覚めていた。




「…っ!?」




「春江っ!」




わしが枕元に駆け寄ると、



「そんな怖い顔して…、
 いったいどうしたんですか?」




驚いてるわしを見て、
春江は不思議そうに訊いた。




記憶が飛んでいたんじゃろう…な





手を強く握りしめては喜ぶわしに
春江はキョトンとするばかりだった。








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