今度はあなたからプロポーズして
春江は花束を大事に抱えると、
花の香りを満喫していた。
息子達が次々にプレゼントを渡し
ベッドの周りはあっという間に
華やかに彩られた。
ただ、わしだけは
付きっきりだったこともあって
プレゼントの用意はできておらん
かった。
「何か欲しい物はあるか?」
と聞くと、
春江は少し考え込んでいたが
何か閃いたように手を一つ叩いて
わしに頼んだ。
「そうね…赤い口紅が欲しいわ」