今度はあなたからプロポーズして
恭一にならって同じ方向を見ると
砂浜は西方向に延々と続いていて
はるか彼方に小高い丘が見えた。
「小学生の頃はあそこの丘までが
マラソンのコースだったんだ」
と恭一は懐かしそうに指を指した。
「今日は穏やかだけど、
御前崎はいつも風が強くてさ。
小学生なのによく走ってたなと
思うよ。」
「恭一はどんな子供だったの?」
「ん?…俺の子供の頃?
そうだなぁ…
いつも釣りばっかりしてたな」
「へぇ~、
アウトドア派だったんだね」
「まぁ、海しかないからなぁ。
誰が一番大物を釣るかってのが
毎日の楽しみだったよ。」
意外な一面を発見して
懐かしんでいる恭一に目を見張る。
わんぱくだったであろう少年期の
恭一が、
留美の脳裏にポッと浮かんだ。
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