今度はあなたからプロポーズして
二人は防波堤の階段を降りると
砂浜を歩き出した。
留美はしばらく砂の感触を楽しん
でいたが
突然パンプスを脱いで手に持つと
「冷たいかな?」
と言いながら、
波打ち際まで歩いて行く。
「波かぶるから、気をつけろよ」
と恭一が忠告したにも関わらず、
留美は馴れない波に膝上辺りまで
ビショ濡れになってしまった。
「だから言ったじゃないか!」
と恭一にバカにされながらも
留美はまた波のしぶきを浴びては
大笑いしている。
呆れる程開放的にはしゃぐ留美を
見て
恭一は来て良かったと思った。
ここまでの笑顔を見るのは久々だ
昨夜の焦りなど消え失せたように
波打ち際でふざけて海水を飛ばす
留美に
付き合ってはしゃいでみせた。
季節外れの海水を散々浴びた二人
は防波堤の階段に腰を降ろして
服やスカートを乾かすことにした。
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