今度はあなたからプロポーズして









「|どうして?」





突然の留美の言葉に恭一の脳裏を
昨日の出来事が瞬時に駆け巡った。




だが留美は疑る気配は全くない。





「恭一の過去を共有できるのは…
 この海だけだから。


 御前崎の話は聞いてたけど、
 来たことはなかったしね。」





と過去にこだわりを見せる留美に
恭一の動揺は更に高まる。




「俺の過去…?

 …過去を共有って…

 それって何も今日じゃなくても
 よかったんじゃないか?

 連休ならもっといろんなとこに
 行けただろうし…」




と焦る恭一の言葉を遮って、
留美は語気を強めた。







「今日じゃなきゃ、ダメなの…」








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