今度はあなたからプロポーズして









「何か…あったのか?」





不安気に訊く恭一に、





「昨日、恭一と別れてから、
 ある出来事があって…


 恭一の故郷に
 行きたくなっただけ…


 恭一と一緒に
 この海を見たかっただけ…


 …ただそれだけよ」





留美は昨日の内容には触れずに、
ただ自分の心境だけを静かに呟いた。





太陽がその役目を終えて
青かった海が金色に輝き始めた。





留美は意を決したように
左胸をポンポンと叩くと、




唐突に恭一に訊いた。







< 195 / 202 >

この作品をシェア

pagetop