今度はあなたからプロポーズして








ありったけの声を張り上げると
留美の心が澄みきった空のように
晴れていく。









これでいいんだよね?









結果じゃない…









私は私を信じれたんだから…









目の前の水平線はどこまでも
続いているように思えた。








その先には…








二人の未来には…何もないのかも
しれない。









でも、今…








この決断をした自分を讃えたい。









そして








恭一の返事を信じたい。









そして何より








二人の未来がまだ続いていくのだ
と信じたい。








だって









私の一番大事な人なのだから…










木の柵を握りしめて恭一を待った。





だが、恭一はまだ返事をしない。








(恭一……)








(恭一……やっぱりダメなの?)








留美が諦めかけて
目を閉じたその時だった。






突然吹いた強風に
留美の髪が煽られて乱れた。







< 199 / 202 >

この作品をシェア

pagetop