今度はあなたからプロポーズして
「ケンカするほど仲がいいとは
昔からよく言うが、
ケンカはよくするのかのぉ?」
赤面した留美を微笑ましく見ながら、
老紳士はさらに質問を続けた。
「あぁ~、どうでしょう?
たまに…するぐらいかな…
でも、
勝つのはいつも私ですけどね」
と留美は得意気にエヘンと
胸を張った。
たしかに、
恭一に口で負けたことはない。
だがそれは
温厚な彼が手を上げるはずもなく
屁理屈勝負で留美が勝つことなど
当然と言えば当然の事だ。
無論、承知の上でだろう。
誇らしげに話す留美を見て
老紳士は今度は大口を開けては
何とも面白そうに笑い飛ばした。
・