今度はあなたからプロポーズして
出てきた料理は
すべてが素晴らしかった。
フランス料理に評価を下すことが
できるほど
慣れているはずもなく、
留美は純粋に美味しいと思った。
「ほぉ~、これは美味い!」
と賢三も料理を称賛している。
その表情からは、
先程の険しさは微塵も感じられず
凝った味付に舌鼓を打っている。
今にして思えば、
単に自分が緊張しすぎていただけ
なのかもしれない。
最初の緊張など
いつの間にか忘れてしまうほどに
留美は心地よい食事を楽しんだ。
デザートと口直しのコーヒーが
運ばれてきたところで、
留美は思い出した様に先程の話を
きり出した。