今度はあなたからプロポーズして
「奥様とも
よくいらしてたんですか?」
「たまにじゃよ…
じゃが…あいつの誕生日には
必ずここで食事をするのが
決まりじゃった。」
「へぇ~、じゃあ、
思い出の詰まった
レストランなんですね!」
留美の言葉に
賢三は少し照れくさそうに
鼻を擦ると
コーヒーを一口含んで微笑んだ。
「じゃあ、約束というのは
誕生日のことですか?」
と約束の話題へと急かすように
留美は間髪入れずに質問を続けた。
「や、そうではない…」
と賢三は待ったを掛けるように
口をつぐんだまま
意外にも大きくため息を吐いた。
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