今度はあなたからプロポーズして









「じゃあ、
 その【たった一つの約束】って
 どんな約束だったんですか?」




興味深々な留美が
我慢がきかないとばかりに尋ねる。




「約束か……う~ん……
 約束というのはあの公園じゃ」




「公園?
 あの公園が約束って
 どういうことですか?」



何だかもったいぶる賢三に
留美が詰め寄った。




「まぁ、正確には
 【約束の場所】じゃ。」



賢三は何故だか
なかなか話そうとしなかった。




そのしかめた表情は
なんだか後ろめたい感じに受けて
取れる。




賢三はまたコーヒーを口に含むと
難しい顔をして深い息を吐いた。







< 39 / 202 >

この作品をシェア

pagetop