今度はあなたからプロポーズして
「じゃあ、
その【たった一つの約束】って
どんな約束だったんですか?」
興味深々な留美が
我慢がきかないとばかりに尋ねる。
「約束か……う~ん……
約束というのはあの公園じゃ」
「公園?
あの公園が約束って
どういうことですか?」
何だかもったいぶる賢三に
留美が詰め寄った。
「まぁ、正確には
【約束の場所】じゃ。」
賢三は何故だか
なかなか話そうとしなかった。
そのしかめた表情は
なんだか後ろめたい感じに受けて
取れる。
賢三はまたコーヒーを口に含むと
難しい顔をして深い息を吐いた。