今度はあなたからプロポーズして









じゃが、約束の時間になっても、
春江は来なかった。






ひょっとしたら、
お嬢様の気まぐれだったのでは?






いや、
何かトラブルがあったのかも?






事故にあったのではないか?…






などと、不安に駆られては
あらぬ想像を繰り返していた。





必死に絵を選んでいた自分を
嘲笑いたくなりかけたその時





約束の時間より20分近く遅れて
春江は公園に現れた。





しかも、
手作りのサンドウィッチまで
作ってきてくれている。





途端にわしの手は汗が滲み
スケッチブックを汚すまいと
慌ててベンチに置いて
サッと立ち上がると
カチコチの笑顔で春江を迎えた。









< 62 / 202 >

この作品をシェア

pagetop