今度はあなたからプロポーズして









サンドウィッチを食べながら、
春江は2、3枚の絵を黙って
何度も見返していたが、






「やっぱり、上手!」






というと、






「あなたは
 きっと真っ直ぐな人なんだわ」






と、まじまじとわしを見つめて
くる。






「絵を見ただけで、
 性格がわかるんですか?」






と目のやり場に困りながら訊くと






「だって、
 絵は、その人の鏡みたいなもの
 でしょ?」






と春江は当たり前のように返してくる。





春江が無造作に言ったその言葉は
わしの心に深く響いた。





そんなことは
考えたこともなかったからだ。








< 65 / 202 >

この作品をシェア

pagetop