今度はあなたからプロポーズして
しばらく黙っていた春江だったが、
「あっ!」
と名案でも思いついたかのように
ポンっと一つ手を叩くと、
「私も、あなたが描くような絵を
描いてみたい!
もし、お邪魔でなければ、
いえ…邪魔はしませんから、
私に絵を教えていただけません
か?」
「は!? あ、でも…」
突然の申し出に
わしが戸惑っていると、
「やっぱり、オジャマかしら…
無理にとは言いませんけど…」
春江は申し訳なさそうに
わしの顔色を窺った。