今度はあなたからプロポーズして
春江は
学校の先生になることが夢だった
そのために
学校の他にいろいろ習い事も多く
大変だったらしい。
特にピアノの先生は厳しいらしく
「天敵だわ…」
と春江は苦手にしていたが、
「でも、自分の夢のためだもの
苦ではないわ」
と怯えた感じなど微塵も見せず
屈託なく笑っていた。
「きっと叶うと思いますよ」
と言うわしに
春江は、フフっと微笑むと
「それはお互いに…でしょ?」
とどこまでも澄みきった空を
仰いでは目を輝かせていた。
赤く焼けた太陽が沈みきるまで
わしらは肩を並べては
尽きぬ希望を語らい続けていた。
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