今度はあなたからプロポーズして









「ちょっと待ってください。

 どうなってるのか知りませんが
 こんな夜中に女性が
 一人歩きしては危険です。

 うちでよければ、
 詳しい事情を
 聞かせてもらえませんか?」





わしが必死に引き留めると、






「えっ!?

 よろしいんですかぁ~?


 あ~、よかった~。


 親とケンカして
 咄嗟に飛び出てきたものだから


 あなたの所しか
 頼る場所がなかったんです。」





そう言うと
春江は緊張が解けたように
その場にペタっと腰を降ろした。





よほど安堵したのじゃろう





真冬の道に座り込む春江に
周囲は冷笑していたが、
春江はお構いなしに
ただただわしに礼を言い続けていた。








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