今度はあなたからプロポーズして









春江は一気に話したせいか、
むせる素振りをしてみせた。





「ですが、そうは言っても
 お父様も今頃ご心配されてる
 ことでしょう。


 もう一度、
 しっかりお話されたほうが
 いいと思いますよ」






「わたしは帰らないわ。
 父は考えを曲げるような人では
 ないから、
 今更謝ってもダメ…


 それに、帰ったところで
 父の敷いたレールの上を
 生きていくんだったら、
 帰らないほうがマシです。」






春江は頑として首を縦に振らない




聞く耳を持たないとはこのことだ。








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