この恋はひみつ。
×××きっかけ


女ってのは怖いと思う。
だって一人相手にこんなに大人数で文句を言いにくるんだから。



「ねえ、アンタ聞いてんの?
アンタのせいでさータカシと別れたんだけど!
人の男とるとかどういう神経してんの?
マジ引くんだけどー」

「最低ー」

「死ねよー」


馬鹿っぽい喋り方。
ぽいじゃなくて馬鹿なんだけど。

内容もくだらない。
タカシって誰だ、おい。

いい加減こいつらの相手もダルくなってきたなあ。


「ブスだからって僻まないでよ」

思ってたことをそのまま言ってしまった。
オブラートに包むべきだったか、と
内心笑いながら後悔した。


「ハア!?調子にノってんじゃねーよ!」

「マジなんなの?」


どうでもいい。
ていうかあたしこの人達の名前も知らないや。
まあ、それこそどうでもいいけど。


「さっさと帰してくれないかな。馬鹿がうつりそう」

「ッ!」

真ん中にいた女が手を振り上げた。


ビンタは痛いから勘弁して欲しいけど、
胸倉を掴まれてるから避けるのは無理だろう。

とりあえず、目を瞑っておこうかな。
目の中に入ったら痛いし。

なんて、私が来るであろう衝撃に備えていると



「おい、お前ら何してんだ?」

聞き覚えのある声がした。






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