その音色はどこまでも美しく
「違うんだ!俺は無実なんだ」

必死に身の潔白を訴える。

「……無実?あんた、全然反省してないみたいね」

どうやら逆効果だったようだ。

指をバキバキ鳴らしながら近づいてくる。

「備品は壊さないでくれよ。ただじゃないんだから」

頼子さんから的外れな注意を受ける。

違うだろっ!?

教師ならそこは、暴力はやめなさいとかじゃないのか!

恨めしい目で頼子さんを見るが軽く流されてしまう。

「わかってるわよ。……一撃で仕留めるから」

すっと、可奈の顔から表情が消える。

やばい、死んだ。

可奈が構えをとる。

「ぼ、暴力反対ー」

最後にささやかな抵抗試みる。

「門戸無用っ!」

ですよねえ……。

直後、弾丸のように打ち出された正拳が俺の鳩尾に突き刺さる。

「ぶはっ!」

その衝撃は俺の全身を突き抜け、一瞬で身体の自由を奪い去る。

薄れゆく意識の中、俺は自分が地面に崩れ落ちるのを感じていた。
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