ラブ★シックネス

⇒王子様の、秘密の素顔





「…みぃちゃん、俺さ。」



―…突然、だった。


アイツが不意に柔らかい笑顔を見せたあと、もう一度口をゆっくりと閉ざして。


数十秒の沈黙の後に、うっすらと開かれた唇。



アイツの手のひらが強く握りしめられ、小刻みに震えている。




「――自分が大キライだったんだよね。」



耳を疑ってしまうくらいの、それくらい、衝撃が強い台詞だった。



『えっ…?』



心が声となって、小さく漏れたあたしの吐息は、

消えることを忘れ、シンとした空気を振動させていく。



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