ラブ★シックネス
……あたしの読みは、当たっていたみたいだ。
颯の家の前には、大きなスーツケースを引きづりながらドアを閉める颯。
…やっぱり、何も言わずに、今日去るつもりだったんだ。
『…っ、颯、アンタどこに行く気よ!?』
行き先はとっくのとうに先生から聞いていたけど。
知らないフリして、颯にズンズン歩みよるあたし。
そんなあたしを、まるで存在していないかのように無視した颯は、あたしがいる方とは反対側を歩き出す。