ラブ★シックネス
……むかつく。
アイツのくせに。
颯のくせに。
あたしのことを無視するし、あたしを避けるし。
…勝手に、留学とかも決めちゃってさ。
勝手にあたしから離れようとするなんて、ずるい。
『待ちなさいよ!』
がむしゃらに叫んだあたしは、息を枯らしながらもさっきよりもスピードを早く出し、
…颯の腕を、ガシッと掴んだ。
「……。」
何も言わずに、あたしに背中を向けたまま立ち止まる颯。
颯がこっちを向く気はサラサラないみたいなので、腕を掴んだまま、あたしの方から颯の前に行くことにした。