ラブ★シックネス
戸惑いはあった。
…でもね、不思議と前ほど嫌な気持ちはなかったの。
遠くに行ってしまうくらいなら、ずっとこのままでいたいと。
「――必ず、戻ってくるよ。」
アイツが優しく、耳元で囁いた。
そしてそのあと、スーッと身体を離される。
「みぃちゃん、俺が英語を好きなの知ってるでしょ?
…夢が、あるからなんだ。」
『……。』
「今回の留学は自分で決めたことだから、行かないわけにはいかない。
…もうそろそろ、行かなくちゃ。」
ワガママなあたしは、“頑張ってね”なんて言えない。
そんなあたしを見計らってか、下を向いていたあたしの顔を、颯が上にするよう促す。