ラブ★シックネス
せめて、チャイムを押して、玄関から入っていただきたい。
「ん?どうしたの、みぃちゃん。」
そう言ってアイツは、あたしなんかに目もくれず。
持参したのか、横にあったポッキーに手を伸ばして、あたしの少女漫画を読んでやがる。
本当に、良いご身分。
っていうか、ベッドでお菓子を食べるのはやめて。
『…なんでもない。』
だけど、長年アイツと一緒にいたあたしには、奴が一筋縄では言うことを聞くわけないことなんか、わかりきっていて。
ため息混じりにこめかみを抑え、あたしは奴から目を逸らした。