ラブ★シックネス
『…いらない。』
首をブンブンと左右に振りながら、素っ気なく言葉を返す。
だってなんであたしが、アイツの食べかけを食べなきゃいけないのよ。
しかも、見た感じ、もうタコが入ってないし。
タコが入ってないたこ焼きを食べたって、何の意味もない。
もはやそれ、たこ焼きじゃないし。
「なら、良いけど。」
そう言って、アイツはなんの躊躇いもなく、パクンと最後のたこ焼きを一口で口に入れる。
ちょっとは遠慮する素振りぐらい見せとけばいいのに。
なにもしない潔さが、逆に憎たらしい。