あにばーさりー ばーすでい



ーー放課後、先生に呼び出されてさぼった分のプリントを大量に手渡された俺

話は長いし明日までにこんなのやれとか
お前はがり勉バカか。

なんて、一人で突っ込みをいれながら
暗くなった廊下を渡った。



教室に戻ると、当然誰もいないだろうと
俺は盛大にため息をついた。

鞄にプリントを詰め込み、前の方を見ると

ーーアキだ。



「あ。」



なんて声も漏れちゃうわけで・・・

この前のこともあったし
二人きりとなると何を話せばいいのかわからない

このまま黙って帰るか、なんて迷ったけど

なんだかんだ言っても、気になるんだよな



「あのさ」



ぽつり、つぶやく俺

いつもなら小さい声でも
静かすぎる教室には大きすぎるような音量


振り返るアキは笑いながら何?と一言。

本人が気づいているかは知らないけど
お前今、泣きそうな顔してるぞ?


そのことはあえて触れないでおこう。


そして、本題。



「この前の、傷・・・」



一気に聞こうと思っているときに限って
言葉が詰まる。

アキはその言葉を聞いて、
あぁ、とでもいうような表情を浮かべた。



「どうしたの、それ」



低い声が響く。

アキは笑顔をなくすと
下を向いてうつむいてしまう
しばらく、沈黙が続いた。








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