あにばーさりー ばーすでい
騒ぐトウマに更に赤くなるユキナ
「絶対、本人にゆっちゃダメだからね?」
「りょーかい!」
「任せて!」
みんなが口々にそう言うと、
ユキナは安心したように微笑んだ。
ーー次の日、
昨日に聞き続き文化祭の準備中。
アキとユキナが重い荷物を運んでいると
階段で躓くアキ。
「わわっ・・・!」
何とかバランスを取ろうと体を動かすが、
手がふさがっているためそれができない。
そのままアキは転んでしまった。
「だ、大丈夫?!」
ユキナが驚いたように駆け寄ったが、
転んだアキは膝をすりむいてしまっていた。
「ったぁい・・・」
思わずうるっと涙目になる。
ーータイミングがいいのか悪いのか
俺はアキが派手に転倒するシーンを見つけてしまった。
痛そうに、でも
笑いながら大丈夫という彼女の膝には赤い傷。
「・・・ったく」
なんて言いながら、普段はスルーするはずの場面に
足が向いてしまった。
昨日から俺の頭はどうなっているんだか・・・
「えっ、キョウ・・・?!」
俺を見つけたユキナが
驚いたような顔を見せる。
俺の登場にそんなびっくりしなくても・・
なんて、今はそんなことはどうでもよかった。
しゃがみこんだままのアキに近づくと、
俺はまた変な言葉を発していた
「おう。アキ、お前大丈夫か?」