愛LOVE…

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幼なじみの恋愛事情

｢直哉ぁ!あたしもう帰る｣


あたし綾峰加奈(アヤミネ カナ)はいつものように、ブルーのスクールバッグを持ち上げると、幼なじみの相原直哉(アイハラ　ナオヤ)を呼びつけた。

｢あぁちょっと待って、今行くよ｣

直哉はあたしの声に気づくと、友達との話に区切りをつけてバッグに荷物を詰め込み始めた。

｢わりぃわりぃ。加村(カムラ)のヤツがさ、俺に恋愛相談なんてしてくるから参ったぜ｣

足早にあたしのもとにかけてきた彼は、苦笑いしながら言い訳をするようにそう話す。

直哉が友達に恋愛相談されているなんてどうした事だろうと思った。

｢あんたに恋愛相談するなんて、加村君ってばカナリ切羽詰まってんじゃない?｣

二人で教室を出ると、あたしは意地悪っぽく言ってみた。

｢まぁな……。俺ってば全っ然カッコ良くないから女の子にモテないんだよなぁ。クゥーッ!!可愛い子がいいなんて贅沢言わないから、早く彼女が欲しいぜっ｣

そんな事を言いながらあたしの横で直哉は、両手をグーにして拳を作り地団太を踏んでいる。