愛LOVE…
｢全くその通りよねぇ。直哉ってばブサイクだからダメなのよ。これは生まれつきだから諦めなさい。最悪誰もお嫁に来なかったらあたしがあんたをもらってやってもいいわよ｣

そんな直哉に、あたしはさらに追い打ちをかけるようにそう言った。

｢そんなのダメだぃ。加奈は結構可愛いし俺以外には性格いいし、しっかりしてるし人望あるからきっと将来、カッコイイ金持ち男にプロポーズされて結婚しちゃうんだぃ｣

何を言い出したかと思えば、彼はあたしを過剰評価している。

｢一方俺は就職先が見つかっても出来が悪いからってリストラにあって、そんで加奈の結婚報告を風の噂で聞くんだけど、こんな出来の悪いブサイクな男と幼なじみだなんて人生の汚点とばかりに、俺の財産では到底参加できないようなゴージャスな結婚式を挙げちゃうんだぃ｣

何やら直哉は自分が相当出来の悪い子だと思い込んでいるらしい。


……なんて、そう仕組んだのは誰でもないこのあたしなのだが。
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表紙・目次

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