愛LOVE…
「ごちそうさまでした」

重たい気持ちを抱えたまま、あたしも清花に続き部屋に戻った。

部屋についてすぐ、あたしは電気をつけるのをためらった。

夜だし、カーテンを閉めていても電気がつけばその明かりは直哉の部屋からはわかる。

あたしが部屋にいるとわかれば、もしかしたらまた直哉は窓越しにあたしを呼ぶかもしれないと思ったからだ。

でも、電気をつけなきゃ暗くてあたしが見えなくて困る。

あたしは仕方なく覚悟を決めて電気をつける事にした。

着替えと寝る前以外にカーテンを閉める事なんて、もうずっとなかった。

多分あたしの記憶では、小学生の頃、あたしが大事にしていた花柄のノートに直哉がいたずら書きをした日以来。
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