愛LOVE…
「とにかく、昨日の事振り返って少し反省なさい」

「だから何をだよ」

直哉は太股をさすりながら、本当にわかっていない様子で困った顔をしている。

「あんた、本気でわかってないの?」

「さっきからそう言ってんじゃん」

逆ギレとまではいかないにしろ、直哉は頬をプクーッと膨らませて反論した。

それを見たあたしは、長年のつきあいからそれが本心からのものだとわかった。

昨日の事だ、とまで言ってるのに。

あたしの中で、段々怒りよりも呆れの感情の方が強くなっていた。

さくらは先程からずっとニヤニヤして、一部始終を見ている。


ちなみにさくらは、最近ジャニーズ系の彼氏ができたばかりで余裕ぶっているのだ。

「まったく、加村も加奈もいけないよな。自分が知ってる事を俺も当然知ってと思ってるみたいだ」

直哉はプンスカしながら、あたしの斜め前の自分の席に着いた。
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