愛LOVE…

一波乱。そして…

―――――


放課後になっても、あたしと直哉はほとんど口をきかなかった。


あたしはまだ直哉の昨日の行動と、その事を一切話そうとしない事に腹を立てている。

一言でもいいから、あたしに話してほしかった。

また、直哉は直哉でそんなあたしの気持ちを知らず、あたしの言動に納得いかないといった様子だ。


正直、気マズかった。


「綾峰さん、ちょっといい?」

「あ、加村君……何?」

そんな中、後ろからいきなり声をかけてきたのは加村君だった。

いつものように直哉と一緒に帰るのが今日は嫌で、先に直哉が一人で教室を出ていくのを待っていた時だったので、ちょうどいい理由ができたと思った。

あたしが席を立ち加村君について行こうとした時、直哉も席を立った。

直哉は思い切り不機嫌な顔をして、あたしと加村君を見る。
< 38 / 66 >

この作品をシェア

pagetop