愛LOVE…
「そういう事か。加奈は昨日から様子がおかしかったし、加村は今朝から俺を敵視してるようだけどようやくわかったよ。おまえら俺に隠してる事あんじゃねぇの?デキてんならそう言やいいじゃん」

「ちょ、何言ってんのよ!そんなわけないじゃん」

「別に隠さなくていいよ。じゃあな」

そう言って直哉は振り向く事なくドアを乱暴に開け、教室を出て行った。

「直哉、待って!」

「綾峰さん!」

追いかけようとするあたしの腕を、加村君はガッチリ掴み放さなかった。

「加村君放して、直哉あたし達の事何か誤解してる」

「あんな奴ほっとけよ!」

「え!?」

「何で……、あいつが」

いつもは優しい加村君なのに、今あたしの腕を掴んでいる彼はまるで別人だった。

うつむいて、かすかに震えている。

「お調子者で、単純で、いつもヘラヘラしてて、綾峰さんといつも一緒にいるくせに、綾峰さんの気持ちも気づかないような鈍感で無神経な奴なのに。……それでも君はあいつが好きなのか?」

「そんな言い方」
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