愛LOVE…
別に悪い事をしたわけじゃないのに、少しの罪悪感を感じてしまう。

でも、あたしが今一番しなければならない事は、直哉の中の誤解を解く事だ。

そして、昨日の事を問いただす覚悟も出来ている。

この際言いたい事を全てぶつけて、気持ちのすれ違いになっている部分をハッキリさせなければならない。

でなきゃ、今まで築き上げてきたあたしと直哉の関係が、ガタガタと音を立てて崩れてしまいそうな気がしたから。

今までのあたし達の関係を失ってしまう事を考えれば、全てを明白にする事なんて他愛ない事だとさえ思ってしまう。


一度だけ加村君の方を振り返り、チラッと様子を見たのだが、机に顔を突っ伏していた。

あたしは何も言わず、焦る気持ちとスクールバッグを抱え、急いで教室を出た。
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