愛LOVE…
「ぶー!いいもん。今からキャンディ買ってくるもん。そんで加奈が寝てる時にこっそり部屋に忍び込んで……キヒヒ」

「キヒヒじゃないわよ、あんたキス以外の事まで考えてんじゃないでしょうね?まったく何考えてんの、ヤらしい。」

「ハァ、ハァ、お兄さんに君が今つけてる下着見せてほしいなぁ。」

調子に乗った直哉は変態の真似事をしている。

いや、真似事ならいいが、もしかしたら直哉は、本当に変態かもしれない。

今は確かめようがないのだが。

ただ、直哉の顔でそんな事言われたら、もしかしたら学校中の女子が

「はい、喜んで」

などと語尾にハートマークなんかつけちゃう勢いで、自ら服を脱ぎ出しちゃうかもしれない。

変態ぶりが冗談だとわかってはいても、あたしは両手で自分を抱きしめる格好で小さく身震いした。

「あんたなんかねぇ、ウチに忍び込んで来たら、お兄に追い出してもらうんだから」
< 64 / 66 >

この作品をシェア

pagetop