愛LOVE…
怒っていたと思ったら、今度は笑顔になっている。
本当、感情の起伏が激しい奴だ。

でも、そんなところがまた可愛くて

――好き。

「あ、そうだ。加奈、俺マリオんトコ行かなきゃいけなかったんだ」

「え、河原先生のトコ?あんたまた何か悪さしたの?」

直哉の言うマリオとは、あたし達2年生の学年主任の先生だ。
本当は河原先生といって、背が低く小太りで、鼻と口の間にヒゲを生やしている。

「俺何かしたっけ?覚えてないや。最近は大人しくしてるんだけどなぁ。ってか俺記憶障害?夢遊病?」

ケタケタ笑いながら直哉は一人、職員室のある二階に降りようと階段に向かって歩いて行った。

……あたしに荷物を押しつけて。

――は?あたしあいつの荷物係?
< 9 / 66 >

この作品をシェア

pagetop