社長の溺愛
「いや…そうじゃねぇ…」
「なんだ?」
はっきりしろよと目で訴える
「その女…翼っていうんだよな?」
「そうだけど…?」
何が言いたいんだ秋也は、まさか名前が知りたかっただけとか?
「そうか、翼か…」
「…………?」
秋也はそのまま1人で納得したようで、再び外に視線を落とす
秋也が謎の発言をするから不思議に思い幸弘を見るが、幸弘も首を傾げていて分からない様子
極道っていうのは難しいようだ…
そして再び車内は静寂に包まれた
寝静まる翼を抱き直して膝に乗せると、リズミカルな揺れに誘われるようにして俺も眠りについた
寝てなかった分の睡魔が一気に襲ってきたらしい